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日本画 田中柏陰
関西南画界の重鎮として書、絵画を描き続け、また作品鑑定の第一人者としても活躍をしたのが、日本画家の田中柏陰です、静麓や孤立、柏舎主人に空相居士など数々の号を持ち合わせ、才能豊かに活動をし続けていった日本が誇る芸術家の1人として広く知られています。そんな田中柏陰は、1866年に静岡県に生まれます。幼少より絵画を描くことが好きだった田中柏陰は、17歳の時に京都へと上京を果たします。そして、その場所で田能村直入に師事をしており、絵画の勉学に研鑽を積み上げて行きます。師である田能村竹田系の南画の画風を守り続けており、結果的に濃彩のある独特の南画を確率していくこととなります。画家として活躍を続けて行く最中、田能村直入が開いた「私立南宗画学校」での教員としても活躍。数々の後進を育て上げていきます。そして、1900年には結婚。妻の実家があった山口県防府市右田へ移り住みます。そこへ養子に入ったことで、田中柏陰という名を名乗り始めたと言われています。さて、そんな田中柏陰なのですが、この教育者としての実力に長けていたのか、この場所でも画塾・画禅堂を開きます。多くの弟子を抱え、人柄からか人気もあったとのことです。弟子の中には、長松秀鳳、植木華城、藤本木田そして、大庭学僊、藤井小陰など名立たる人物を輩出し続け増した。現役の芸術家としても活躍を広く続けて行った田中柏陰は、名作を残して行き、ついには関西を代表する南画界の重鎮となっていきます。彼の代表作でもある、「水墨淡彩山水図」では大胆な構図でありながらどこか郷愁を誘うたおやかさに満ちた筆遣いで描かれているのが特徴的です。さらに、色彩の使い方、濃淡の出し方など絶妙であり田中の名に恥じない秀作となっています。また、書などにも長けていたこともあり、添えられる文字も印象的です。数々の名作を生み出し、そして、その極意を多くの後進へ伝えて行った田中柏陰。一言で言い尽くすことのできない、美術界の重鎮として語り継がれ続けることでしょう。
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